ベトナム・インドネシアに行ってきた。〜day9〜


一人旅再開


卒業したものの、退寮日の朝まではごはんが出るので、最後の食堂メシを味わって食べる。
たとえ1週間でも寂しい。
部屋にも愛着湧いてるし。
同じ時間に退寮する方と一緒に送迎車に乗り、各自の目的地まで送ってもらう。


たった1週間の学生生活。
たまたまそこに居合わせた、期間限定の留学生たち。
みんな個性豊かで、それぞれが面白い人生を歩んでいて。
日本から一番遠い東南アジアの地で出会えたことは、不思議な縁だと思う。



さぁここから単独行動再開。
バリで過ごす最後の1.5日は、クタというエリアに滞在する。
まだ午前10時半だというのにあっさりホテルにチェックインでき(本当は14時)、なんてありがたいんだ。




プールビューの部屋でガラス張り。
カーテンを閉めなければ外から丸見え。
さすがリゾートの中心地。
こんな部屋に1泊3,000円で泊まれるって…どうかしてるよ…


荷物を置き、近くの大型ショッピングモールへ。
バリに来てはじめてこういう都会的な建物の中に入った気がする。
学校があった場所がローカルすぎたからなぁ。
とても広く、ユニクロや大戸屋など見慣れた店もちらほらあり、散策するのが楽しい。


昼食はフードコートでBakso(バクソ)を注文。
なんだかやばそうな名前だが、巨大肉団子や厚揚げがごろごろ入った春雨スープのようなもので、インドネシアの国民食的存在らしい。
優しい味でもしっかりエスニックを感じられて美味しい。

おでんかと思うほどの具の存在感


地下にあるスーパーも覗いてみる。
インドネシアの有名な高級コーヒー、コピルアクが大量に陳列されていた。
ジャコウネコの糞から採れる希少なコーヒー豆だ。
興味がある方はぜひ調べてみてください…


一旦ホテルに戻り、準備をしてビーチへ向かう。
ホテルを出ようとしたらおじいさんに呼び止められた。
Japaneseかと聞かれ、そうですと。少し日本語が話せるらしい。
バリにはいつ来たんだ、いつまでいるんだ、など一通り会話。
そのおじいさんは美術の教師をしているらしく、今手元に作品あるから見る?と鞄を開けようとしたところで、すんません今から用事あって行かなあかんのですわと丁重に断る。
後の予定がなければなぁ…作品気になるわ…
また戻ってくる(あと数時間後…)と伝え、足早にホテルを出た。



Ride the wave


辿り着いたクタビーチには、ピースフルな活気が満ちていた。
砂浜から一段上がったところが賑やかな歩道になっており、客引きの声かけがすごい。
全ての勧誘をかわし、目的の場所へ一直線。


ここか?
わずかに立ち止まるとすかさず若いアニキたちに声をかけられた。
まさにここが、今日お世話になるサーフクラスだ。
私は今から、サーファーの聖地バリで波に乗ろうとしている。
日本でもやったことがないのに。


サーフィンはずっとやってみたかったことの一つ。
田舎の山奥で育ったからなのか、なぜかサーファーに憧れを抱いている。
バリで語学学校を卒業したら、これだけはやろうと決めていた。
ここ、クタビーチは波が穏やかで初心者にも優しいとのこと。
バリ島の中でも特に有名なサーフスポットだ。


クタビーチ一帯には数え切れないほどサーフィンスクールがあり、なんとなくここが良さそうな気がして前日に予約していた。
がっつり日本語を喋れるスタッフがいるスクールもあったが、ここで完全に日本語に逃げるのは甘えだと思い、英語で教えてもらえるところを選んだ。
インストラクターは22歳のハーマン。
若い…目の輝きが違う…


最初は砂の上にボードを置き、パドリングや波に乗るときの動きを説明してもらう。
そして早速海の中へざぶざぶ入っていき、少し沖の方まで移動してボードの上に伏せた状態で浮かぶ。
いや、この時点で結構怖いな。
大なり小なりどんどんウェーブ来るし。
遠浅とはいえ、波に乗るポイントまで出ると私の身長では足も着かない。
子どもの時に習っていた水泳がここで役に立つとは…


良い波が近付いてくると、
Next, you ready?
ボードの進行方向を砂浜の方に向け、波が来るタイミングを見計らって
Three…two…one, stand up!
と後ろからボードを押してくれるため、それに合わせて立ち上がる。
最初の数回はうまく立ち上がれなかったり、立ち上がれてもバランスを崩して派手にダイブし鼻から豪快に海水を迎え入れたりしていたが、だんだんコツを掴んで波に乗れるようになってきた。
かけ声のタイミングが絶妙なおかげで、迷いがない。
リラックスした状態でスーッと一直線にライディングできたときの気持ちよさは筆舌に尽くしがたい。
最初の恐怖はいつの間にか消えていた。


トライするごとに、ハーマンが手を叩いたりグッドサインを送ってくれたりするのでこちらもグッドサインを送り返す。
うまくいったときはNice!とハイタッチで称え合う。


途中で少し休憩。
この後の予定は?と聞かれローカルメシを食べに行こうと思っていると言うと、おすすめのワルンがあると。
ワルンとは、こぢんまりとした庶民的な食堂のこと。


日本人オーナーが経営していて、でもちゃんとインドネシアローカルのごはんが食べられるんだ
インドネシア料理のお気に入りはある?
ナシゴレンかなぁ
もちろんそこでナシゴレンも食べられるし、美味しいよ
ほぅ…それは気になるなぁ…
後で場所を聞いておこう。


再び海へ。
ここまではただ真っ直ぐ沖から砂浜に向かって波に乗っていただけだったが、次は波に合わせて進路を斜めに切っていこうとのこと。
Paddling Paddling…Paddling faster!
(パドリングで前進、だんだん速く)
さーん...にー...いーち...立って!
(たまに登場する日本語)
立ち上がり、少し真っ直ぐ進んでから左へなだらかに舵を切る。
斜めに進めているのかどうかもわからないままダイブ。
慣れていればそのまましばらく波に乗り続けられるのだろう。
ビギナーには難しかったが、アドバイスを元に繰り返しトライ。
最後はどうにかそれっぽい形でライディング。
砂浜に上がり、お疲れさんと互いにねぎらう。


2時間のサーフレッスンが終了。
まだまだ練習したいくらいだ。
日本から突然やって来た謎のアラサーにもフレンドリーに教えてくれたハーマンに感謝。
少年のような笑顔に無垢な人柄が滲み出ていた。
ほんと良い奴だよ…
明るく無邪気なスタッフのみんなのおかげで、バリでのサーフィンが最高に楽しいものになった


Google mapを見せながら、さっき言っていたワルンはどこか聞いて確認。
え、あれ?ここは私がクタで唯一、事前に調べて保存していた店…
口コミの数もすごくて、人気店であることは間違いなさそうだったので気になっていた。
ホテルからは歩いて1分ほどだ。
まさか、行きたいと思っていた店をすすめられるとは。
これはもう最初から行くことになっていたということだろう。


ちょうどサンセットの時間。
着いた初日に見たジンバランビーチのサンセットとはまた違う美しさだった。
サーフィンする人、走る人、散歩する人、お酒を飲む人、犬。
平和な光景が広がっていた。




サーフクラスのみんなにお礼を言い、クタビーチを後にした。



おすすめワルン


ホテルに戻り、海水でベトベトのタッパー(上半身だけのウェットスーツ)やロングスパッツなどを洗ってバルコニーに干す。
ただでさえ荷物を厳選しないといけないのに、サーフィンでしか着ないウェアをわざわざ日本から持ってきていた。
それくらい、サーフィンに懸ける想いは強かった。


途中、突然電気が消えて部屋が真っ暗に。
ほかの部屋も暗いので停電だろうか。
ちょうどチェックインして部屋に向かおうとしている宿泊客とスタッフの声が聞こえるが、何を言っているのかは全くわからず。
「バリ島 停電」で検索するも、そんなに頻繁に起こっているような感じではなさそうだ。
スマホのライトを照らして明かりを確保。
これくらいのことでは特に驚かなくなっており、まぁそういうこともあるよなと。


5分ほどで電気が復活。
早い!
実はホテルに戻ってからなぜかエアコンが付かず(リモコンは動くのに)、しばらく暑いままどうしたものかと思っていたのだが、停電からの復活を機にエアコンも復活し、結果オーライ。


さぁ夕食を食べに行こう。
例のワルンに向かう。
確かに日本人女性のオーナーさんがいて、少し喋る。
さっき停電だったんですよ
あ、やっぱりこの辺そうだったんですね
日本語で情報交換できることの安心感たるや。
数種類あるナシゴレンの中から、オーナーさんにおすすめを聞いてチョイス。
ビンタンビールも注文。
運動をした後に食べるごはんは格別な美味しさ。

学食も合わせると3度目のナシゴレン


気を付けて帰ってくださいね~
気さくなオーナーさんがいるとても良いワルンだった。
現地の人にすすめられるのも納得。


目と鼻の先のホテルに戻る。
ロケーションが完璧だ。
リンスを流す前にシャワーがほとんど出なくなり、洗面台に頭を突っ込んで洗いながら、明日帰らなければならないことが信じられなくなってくる。
帰ったらまたすぐ社畜の現実に引き戻…
いや、今は何も考えるな。
バリでの残り半日を目一杯楽しむのみ。
明日もまた海へ行こう。



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